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山口地方裁判所 昭和32年(行)11号 判決 1960年7月14日

原告 実近キヨ 外一名

被告 山口県知事 外一名

主文

原告等の被告県知事に対する、別紙目録記載の土地の売渡処分が無効であることの確認を求める訴並に右土地の買収を原因とする所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴はいずれもこれを却下する。

原告等のその余の請求はいずれもこれを棄却する。

訴訟費用は原告等の連帯負担とする。

事実

原告等代理人は、被告県知事に対し、「被告県知事が別紙目録記載の土地(以下単に本件土地と略称する)について、昭和二十三年三月二日附須々万(ヘ)の二号買収令書をもつてした買収処分並に同日附須々万F二十六号売渡通知書をもつてした売渡処分はいずれも無効であることを確認する。被告県知事は原告等に対し本件土地につき昭和二十五年三月二日山口地方法務局須々万出張所受附第百四十二号をもつてした自作農創設特別措置法(以下単に自創法と称す)第三条の規定による買収を原困とする農林省名義の所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。」、被告河村に対し、「被告河村は原告等に対し本件土地につき昭和二十五年三月二十八日山口地方法務局須々万出張所受附第三百十三号をもつてした自創法第十六条の規定による売渡を原因とする所有権移転登記の抹消登記手続をせよ。」、被告両名に対し「訴訟費用は被告等の負担とする。」との各判決を求め、

請求の原因として次のとおり述べた。

「一、本件土地は訴外藤本フサの所有であつたところ、同訴外人は昭和二十六年二月四日死亡したため、原告両名がいずれも同訴外人の子としてその遺産相続をなし本件土地を承継取得したものであるが、被告県知事は昭和二十三年三月二日本件土地につき自創法第三条第一項第一号にいわゆる不在地主所有の小作地たる農地と認定し訴外フサを被買収人とする須々万(ヘ)の二号買収令書を発行して買収処分を決定したうえ、同日山口地方法務局須々万出張所受附第百四十二号をもつて右買収を原因とする農林省名義に所有権移転登記を経由し、又これを自創法第十六条の規定により同日附須々万F二十六号売渡通知書を被告河村に交付して売渡処分をなしたうえ、これにつき被告河村のため昭和二十五年三月二十八日山口地方法務局須々万出張所受附第三百十三号をもつて右売渡を原因とする所有権移転登記を了した。

二、然しながら被告知事のなした本件買収処分には次のような瑕疵がある。

(一)  本件買収処分には買収令書の交付がなされていない違法がある。自創法第三条に基く買収にあつては同法第九条により買収令書の交付を必要とするところ、本件土地の当時の所有者である訴外フサは勿論、その遺産相続人である原告等は未だ被告県知事から本件土地についての買収令書を受領していない。但し被告県知事は本件土地につき昭和二十四年十一月一日に至り同日附山口県報をもつて買収の公告をして買収令書の交付に代えているけれども、買収令書の交付に代える公告は当該農地の所有者が知れないときその他令書の交付をすることができないときに限られるのに、本件分告にはかかる事由を欠いている。即ち後記(二)掲記のとおり訴外フサは本件買収処分当時においては本件土地の所在する区域である当時の都濃郡須々万村に永年屋敷を構えて居住しており、又その相続人及びその他近親者多数も右須々万村又はその隣村である長穂村に在住していて、右フサの所在が知れずその他令書の交付ができなかつたという事由は全然存在しない。にも拘らず買収令書の交付に代える公告をもつて買収したのは違法である。

(二)  本件土地は自創法第三条第一項第一号にいわゆる不在地主所有農地に該当しないにも拘らず、これに該当するものとして買収した違法がある。即ち訴外フサは本件買収処分当時において本件土地の所在する区域である当時の都濃郡須々万村本郷字新川第六百四十四番に屋敷を所有し、ここにその家族とともに定住していたものである。但し昭和二十三年七月二十九日以降病気静養のため一時的に当時隣村であつて長穂村に居住していた原告内山セツの許に身を寄せたことがあるが、右は本件買収処分時以後に属することであるのみならず、単に一時的な療養のための移転に過ぎず、移転後も屡々前記須々万村の自宅に帰つていた状態にあつたものであり、従つて右フサの住所は本件土地所在区域である前記須々万村にあつたというべきであるから、本件土地は買収の対象物件に該当せず、にも拘らずこれを買収した違法がある。

(三)  本件買収処分は、裏面工作や策動など不正乃至犯罪的行動によつて当時の須々万村農地委員会書記が訴外フサの老病を利して行つた違法なものである。

三、以上の理由によつて本件買収処分は違法であり、而もその瑕疵は重大且つ明白であるから、本件買収処分を当然無効ならしめるものである。

而して本件買収処分が無効である以上、これを前提とする本件売渡処分も又当然に無効であり、又本件買収処分を原因とする農林省名義の前記所有権移転登記も無効な登記原因に基くものである。

よつて被告県知事に対し本件買収及び売渡処分の無効確認並に右所有権移転登記の抹消登記手続の履行を求める。

四、以上のとおり、本件売渡処分が無効である以上、被告河村は本件土地の所有権を取得するに由なく、従つて同被告の受けた本件売渡を原因とする前記所有権移転登記は無効な登記原因に基くものである。

よつて被告河村に対し右所有権移転登記の抹消登記手続の履行を求める。」

(証拠省略)

被告県知事持定代理人等及び被告河村は、「原告等の請求を棄却する。訴訟費用は原告等の負担とする。」との判決を求め、被告県知事は答弁として次のとおり述べた。

「一、原告等の主張事実中、本件土地が訴外藤本フサの所有であつたところ、被告県知事が昭和二十三年三月二日本件土地を自創法第三条第一項第一号にいわゆる不在地主所有の農地として右フサを被買収人とする須々万(ヘ)の二号買収令書を発行して買収処分を決定し、同日右買収を原因とする原告等主張の如き所有権移転登記を経由し、次いで同日本件土地を自創法第十六条の規定により原告等主張の如き売渡通知書を被告河村に交付して売渡したこと、並に被告県知事が昭和二十四年十一月一日、同日附山口県報紙上に右買収の公告をしたこと、を認め、その余の事実を否認する。

二、本件買収処分は適法且つ有効であつて、原告等が主張するような違法無効原因はない。

(一)  原告等は、本件買収令書の交付がないと主張するが、本件買収令書は昭和二十三年三月二日頃訴外フサに交付されたものであるが、右フサは後日に至つて被告県知事に右令書を返戻してきたので、被告県知事は右買収の効力を維持するため自創法第九条一項但書により昭和二十四年十一月一日附山口県報に右買収を公示したものであつて右手続は適法である。

(二)  次に原告等は本件土地は不在地主所有の農地でないと主張するが、本件土地の当時の所有者である訴外フサは昭和二十一年七月十七日に当時の長穂村に在住する原告内山セツ方に移住し、その際右フサは須々万村より転出証明書をとり、爾後長穂村において主食の配給を受け、又従前右フサが居住していた須々万村の家屋は訴外石田辰夫に賃貸し、その後解体されるに至つているのであつて、右事実によれば本件買収処分当時における右フサの住所は長穂村にあつて、本件土地の所在区域である須々万村にはなかつたものであるから、本件土地を不在地主所有の農地として買収したのは適法である。

(三)  更に原告等は本件買収処分は不正乃至犯罪的行為によつてなされたものであると主張するが、かかる事実は否認する。

三、以上の次第によつて本件買収処分は適法且つ有効であり、従つて本件売渡処分並に本件買収を原因とする農林省名義の前記所有権移転登記も有効であるから、被告県知事に対し本件買収及び売渡処分の無効確認並に右登記の抹消登記手続の履行を求める原告等の本訴請求は失当である。」

被告河村は答弁として次のとおり述べた。

「一、原告等の主張事実中、本件土地が訴外藤本フサの所有であつたところ、被告県知事が本件土地につき原告等主張のとおりの手続で買収及び売渡処分をなし、且つ右売渡を原因とする原告等主張の如き所有権移転登記を経由したことを認め、その余の事実を否認する。

二、本件買収及び売渡処分が無効であることは争う。右買収処分が有効であることについては被告県知事が前掲二、で主張したところと同一の主張をする。従つて本件売渡処分も又有効であるから、これにより本件土地は被告河村の所有に帰したものであり、従つて本件売渡を原因とする前記所有権移転登記は何ら実体的な権利関係と齟齬がない有効なものである。

よつて被告河村に対し右登記の抹消登記手続の履行を求める原告の本訴請求は失当である。」

(証拠省略)

理由

一、被告県知事に対し本件土地売渡処分の無効確認を求める部分について。

原告等は、本件土地の被買収人の相続人であるという地位に基き、本件土地買収処分の違法無効なることを主張し、その無効確認を求める外に、これを理由として本件土地売渡処分も又当然無効であるとしてその無効確認を求めているものであることは主張自体明白である。然し仮りに原告等が主張するように本件買収処分が無効であり従つて本件売渡処分も無効であるとしても、原告等は以下述べるように右売渡処分の無効確認を求める訴の利益を有しないものといわなければならない。蓋し、買収処分が無効であれば、国は当該農地について所有権を取得していないのに、その売渡処分をなしたことになるから、当該売渡処分も当然無効となるのであり、而してかかる場合買収処分無効確認の判決があれば行政庁としては買収処分のみならず売渡処分も又無効なものと取り扱わなければならず、従つて被買収人又はその相続人としては買収処分無効確認の訴を提起すれば足り、この外に売渡処分無効確認の訴を提起する必要を見出し難い。尚又、買収処分が有効であつて唯売渡処分自体のみに存する瑕疵のために売渡処分が無効になるというのであれば、当該農地の所有権は国に帰属する結果となるに過ぎず、右の売渡処分のみの無効は当該物件の買収処分に何等影響を及ぼさぬのであるから、従つて被買収人又はその相続人の当該農地に関する法律上の地位に何らの影響をも及ぼさない。そうであるから自創法の定める農地買受資格を有し売渡を受くべき地位にあることに基き、売渡処分無効確認の訴を提起するのであれば格別、そうでなくして唯単に農地被買収人の相続人たる地位において、売渡処分無効確認の訴を提起するのは訴の利益を欠くものであり、これにつき実体について判断を加えるまでもなく却下を免れない。

二、被告県知事に対し買収を原因とする農林省名義の本件土地所有権移転登記の抹消登記手続を求める部分について。

原告等は、本件土地につき、自創法による農地買収を登記原因とする被告県知事の登記嘱託によりなした農林省名義の所有権移転登記の抹消登記手続を嘱託官庁である被告県知事に対し訴求しているものであることは主張自体明白である。然し自創法第四十四条、自作農創設特別措置登記令によれば、県知事は農地買収に関し国のため職権で登記嘱託をすることができる旨規定しているけれども、買収処分が無効なる場合についての抹消登記手続に関する規定がなく、従つてかかる場合は一般原則に従つて決せらるべきところ、かかる請求は純粋に私法上の権利関係を訴訟物としているものであるから、行政事件訴訟特例法第六条にいう関連請求になり得るとしても、行政事件ではないことは勿論であるから、通常の民事訴訟の原則に従い当該土地の登記簿上の名義人を相手とすべきものであるが、本件の場合右名義人は農林省となつているところ、農林省は国の行政機関であつて、これ自体としては私法上の権利又は法律関係の主体となることができないものであるから、結局その主体性を有する国を被告とすべきものである。従つて右登記の抹消登記手続を求める訴について被告県知事は被告となるべき適格を有しないから、県知事を被告として提起された右登記の抹消登記手続を求める本訴は、実体について判断を加えるまでもなく不適法として却下を免れない。

三、被告県知事に対し本件土地買収処分の無効確認を求める部分について。

(一)  本件土地が訴外藤本フサの所有であつたところ、被告県知事が昭和二十三年三月二日本件土地を自創法第三条第一項第一号にいわゆる不在地主所有の農地として右フサ被買収人とする須々万(ヘ)の二号買収令書を発行して買収処分を決定したことは当事者間に争がなく、次に右フサが昭和二十六年二月四日死亡し、原告両名がいずれも同人の子としてその遺産相続をしたことは弁論の全趣旨に徴し当事者間に争がない。

(二)  よつて以下本件買収処分に原告等主張のような無効原因があるかどうかについて判断を加える。

(1)  無効原因(1)について。

原告等は本件買収処分について買収令書の交付がなく而して右令書の交付に代えて公告をもつてしたのは違法無効である旨主張するので審按するのに、被告県知事が本件土地につき自創法第九条第一項但書により昭和二十四年十一月一日附山口県報紙上に買収令書の交付に代える公告をしたことは当事者間に争のないところであるが、公告をもつて買収令書の交付に代え得るためには自創法第九条第一項但書所定の事由、即ち当該農地の所有者が知れないときその他令書の交付ができないときに限られるべきところ、この点につき被告県知事は昭和二十三年三月二日頃本件買収令書を訴外フサに交付したけれども、右フサはその受領を拒絶し、後日右令書を返戻した旨主張するのであるが、本件に顕われた全証拠をもつてしても右事実を認めることができない。而して後記(2)認定の如く、右フサは従前本件土地所在区域である当時の都濃郡須々万村第六百四十四番に屋敷を構えて永年居住していたところ、昭和二十一年に当時の隣村である長穂村千二百十八番の第二訴外内山行雄方に移住し、且つそれに際し昭和二十一年七月十七日須々万村で転出証明書交付手続を経ていることが明らかであるから、右事実によれば被告県知事において本件買収令書の交付に際し右フサの住所を調査したならば比較的容易にこれを知り得た状態にあつたものというべきである。然るにこのような調査が行われたことを認めるに足る証拠は全然ないから、被告県知事は直ちに買収令書の交付をすることができないものと認定して令書の交付に代える公告をしたものと認めざるを得ない。かように買収の対象たる土地所有者の住居地が比較的容易に判明し得る状況にあつたにも拘らず、買収令書の交付に代える公告をもつてしたことは違法であるというべきであるが、然し前記事実を併せ顧慮すると右手続上の違法は本件買収処分を無効ならしめる程重大な瑕疵ということができないから、結局この点に関する原告等の主張は理由がない。

(2)  無効原因(2)について。

次に原告等は、本件土地が不在地主所有の農地でないにも拘らずこれを買収した違法がある旨主張するので審按するのに、成立に争のない甲第一号証の一、二、乙第五号証、(昭和三十五年一月八日付、都濃町長よりの回答により)当裁判所において真正な公文書と認められる乙第一号証、証人石田辰雄、同有井新作、同藤本利一、同内山行雄、同内山義人の各証言(但し証人藤本利一、同内山行雄及び同内山義人の各証言中後記認定に反する部分を除く)並に原告両名の各供述(但し後記認定に反する部分を除く)を綜合すると、訴外フサは従前その夫小右衛門とともに本件土地の所在する区域である当時の都濃郡須々万村第六百四十四番を本籍地とし且つ同所に屋敷を構えて永年居住していたものであるが、既に昭和十八年四月二十二日厚狭郡楠町大字船木三百一番地に転籍し、次いで昭和二十一年当時右フサは年令八十才を越える老令で而も中風を患い生活に不便を感じていたため、同年七月十七日須々万村から転出証明書の交付を受け、その頃右小右衛門とともに須々万村より当時その隣村であつた都濃郡長穂村千二百十八番の第二内山行雄(原告セツの夫)方に移住し、以来同所に居住してその間須々万村の前記屋敷に帰還することがなかつたものであるが、昭和二十四年十月二十八日夫小右衛門が前記内山方で死亡して暫らくしてから厚狭郡楠町大字船木三百一番地に住む次男藤本利一の許に引き取られ、昭和二十六年二月四日同所で死亡するに至つたこと。前記の如く須々万村から長穂村に移住するに際しては仏壇その他家財道具の殆んどを引き払つて移住したこと。須々万村に在る前記家屋は右フサが長穂村に移つてから後訴外石田辰雄、及び同有井一夫、同有井新作にそれぞれ賃貸し、右訴外人等はいずれも昭和二十二年中に右家屋に住み込み、訴外石田辰雄はその後約三箇年右家屋に住んでいたが、それから暫らくして右家屋は解体されるに至つたこと、を認めることができ、証人藤本利一、同内山行雄、及び同内山義人の各証言並に原告両名の各供述中右認定に反する部分はたやすく措信し難く、他に右認定を覆えすに足る証拠はない。以上認定の事実によれば、右フサは既に昭和二十一年七月頃長穂村に住所をもつに至つたものであり、従つて又本件買収処分当時において右フサの住所は右長穂村に在つて、本件土地所在区域である須々万村になかつたものと認めるべきである。よつてこの点に関する原告等の主張は理由がない。

(3)  無効原因(3)について。

更に原告等は、本件買収処分は不正乃至犯罪的行為によつてなされた違法無効なものである旨主張する。然し原告が行政処分の無効を主張するには単に抽象的に無効原因を主張するだけでは足りず、当該瑕疵の内容並にその瑕疵が重大且つ明白であることを具体的事実に基いて主張責任があると解すべきところ、本件にあつて原告等は、その主張する不正乃至犯罪的行為の内容、並にそれが如何なる関係において本件買収処分の瑕疵となり而もその瑕疵が重大且つ明白であるかについて具体的事実に基く主張がないのである。尚本件に顕われた全証拠をもつてしても本件買収処分が不正乃至犯罪的行為によつてなされたものと認めるべき証拠も全然ない。

(三)  以上の次第によつて、本件買収処分にはこれを無効ならしめる程の重大且つ明白な瑕疵がないから、本件買収処分は有効であり、従つてその無効確認を求める原告等の本訴請求は失当である。

四、被告河村に対し売渡を原因とする本件土地所有権移転登記の抹消登記手続を求める部分について。

被告県知事が本件買収処分を前提として、自創法第十六条の規定に基き昭和二十三年三月二日附で本件土地を被告河村に売り渡し、同被告のために昭和二十五年三月二十八日山口地方法務局須々万出張所受附第三百十三号をもつて右売渡を原因とする所有権移転登記を了したことは当事者間に争がない。

原告等は本件買収処分が無効であるから本件売渡処分も又当然無効であり従つて右登記は無効な登記原因に基くものである旨主張するのであるが、本件買収処分が有効であることは前掲三、認定のとおりであるから、本件売渡処分には原告等主張の如き無効原因はなく、有効なものであり、これにより被告河村は本件土地所有権を取得したものである。よつて右所有権移転登記は何ら実体的な権利関係と齟齬がない有効なものであり、被告河村に対しこれが抹消登記手続の履行を求める本訴請求は失当である。

五、以上のとおりであるから、本訴のうち、被告県知事に対し、本件土地に対する売渡処分が無効であることの確認を求める部分並に本件土地の買収を原因とする所有権移転登記の抹消登記手続を求める部分はいずれも訴を却下し、被告県知事に対する本件買収処分の無効であることの確認を求める請求並に被告河村に対し本件売渡を原因とする所有権移転登記の抹消登記手続を求めるその余の請求はいずれも失当としてこれを棄却すべく、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟特例法第一条、民事訴訟法第八十九条、第九十三条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判官 菅納新太郎 松本保三 田辺康次)

(別紙目録省略)

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